IEEE MTT-S Kansai Chapter Chairのあいさつ

河合 正
MTT-S Kansai Chapter Chair
Tadashi Kawai (University of Hyogo)

会員の皆様へ

IEEE Microwave Theory and Techniques Society (MTT-S) Kansai Chapterのホームページをご覧いただき,心から感謝申し上げます.私たちのChapterは,関西地域を中心として,光・電磁波や電気電子工学の発展に貢献することを目指して活動を行っています. 関西地域には長い電気電子工学の伝統があり,その総合力は,日々新たな企業・研究者・学生を生む基盤となっています.これまで,経験の共有やネットワーク作りを通じて,会員の皆様に対してより良い場を提供できるよう努力してまいりました.

 今後は,その経験を生かしながら,新しいチャレンジに立ち向かいたいと考えております.特に,専門知識の深掘りだけでなく,関係分野との繋がりの強化,そして社会に不可欠な技術としての光・電磁波,電気電子工学を展開していく所存です.

 関西地域の「知」の集結地として,すべての人が学び,交流し,共に成長できる場づくりを目指していきます.この目標に向けて,若手技術者や学生の育成,タイムリーな話題の提供,専門家による講演会やワークショップの開催など,より一層の取り組みを進めてまいります.会員の皆様の積極的なご参加を心よりお願い申し上げます.

 最後に,日頃より本チャプターの活動をご支援いただいているすべての方々に深く感謝申し上げるとともに,今後も持続的な発展を目指して邁進する所存です. 皆様と共に,より豊かで創造的な技術コミュニティを築いてまいりたいと存じます.

設立の経緯

関西の地は伝統的にマイクロ波技術が盛んなところであり学会や産業界から多くの著名な研究者を輩出してまいりました。この学際領域や産業領域において関西は大学や企業が多角的な関連を持ち発展する気風に富んでいました。IEEE MTT--S Kansai Chapter は一層の発展を願う関西在住の諸先輩方や若い現場の研究者、技術者の強い要望によって2006年12月に発足し、初代のChairに大平 孝 氏(当時ATR 室長、)が就任されました。

Kansai Chapter 活動の性格付け

本チャプターの性格付けはわが国において伝統ある(財)輻射科学研究会の萌芽的で創造的な研究活動を補完する関係にあり、関西近辺の研究者を核にしたマイクロ波技術の国際化、標準化、技術情報共有化、新学際領域創出、新産業領域創出を達成するための母体として機能する事を目的とし、ワークショップと教育活動およびその広報活動を志ある関西の大学研究者や企業人を核にしてボランティア活動として行っています。組織的には米国電気学会(IEEE)に所属する地域別最少単位である「Chapter」組織として機能し、活動形態報告を年1回本部に行い、会員サービスと資金援助を受けながら運営しています。

ミッション

当チャプターの活動は4つのMissionと8つの戦略的カテゴリーによってその特徴を具体化することを行っています。第1のミッションは融合的新産業の創出にあります。第2は電力ネットワーク(Smart Grid)要素技術の確立にあります。第3はシームレスな情報通信事業への貢献にあります。第4のミッションはマイクロ波技術が融合的学際領域や新産業領域創出の優れたプラットフォームとなることであります。このミッションに基づいて具体的な8つの戦略的ワークショップのカテゴリーが決定されています。

マイクロ波技術の潜在力

情報とエネルギーの両方のキャリアとしての性格を持つマイクロ波は光速でそれらを運搬することができます。また質量と電荷を持たないマイクロ波は互いに衝突が無く、任意の重ね合わせが可能です。さらに物質と電気的にのみ相互作用をします。時間的、空間的周波数が異なればマイクロ波の運ぶ情報、エネルギー、相互作用はそれぞれ互いに独立であると言えます。これらはマイクロ波の特異な性質の一部ですが、従来の産業形態を時代の要請に沿って融合または大きく変革発展するする潜在力を有すると確信します。

関西の大学、産業の一層の発展に向けて

関西チャプターのビジョンから生まれた具体的な8つの戦略的研究領域の単位で開催いたしますワークショップへの技術者・研究者のご参画と相互交流は学術産業の両方に新しい息吹を吹き込むものと確信します。またわが国の新時代を切り開きグローバル経済の中で雇用を創造しながら成長を企画される企業経営のお立場におられる方や大学発の新事業(ベンチャー)を企画される方々のご参画を大いに期待します。関西チャプターが地元の大学や企業の発展に少しでもお役に立ち、技術者に希望を与えることができれば幸いです。