「テレビ用14inch TFT液晶ディスプレイ」IEEEマイルストーン贈呈式(2014年6月10日)

IEEE関西支部が推薦した「テレビ用14inch TFT液晶ディスプレイ(正式名:Sharp 14-inch Thin-Film-Transistor Liquid-Crystal Display (TFT-LCD) for TV, 1988)」がIEEE Milestoneとして正式に認定されました。

それを受けて、2014年6月10日(火)、ホテルグランヴィア大阪にて、銘板(plaque)の贈呈式(IEEE Milestone Dedication Ceremony)が盛大に開催されました。

銘板
IEEEマイルストーン銘板

14インチTFT液晶ディスプレイ
テレビ用14インチTFT液晶ディスプレイ(1988年)
(シャープ株式会社提供)

シャープは、TFT液晶の量産サイズが3インチだった1988年に、テレビ用に14インチのTFT液晶の試作に成功しました。 ブラウン管に匹敵するサイズで高画質表示を実現したことで、フルカラーのポータブルPC用とみなされていた初期TFT液晶産業への他の電機メーカーの参入が促され、TFT液晶産業の黎明期を迎えました。かつて、1960年代にRCA液晶グループが予想した通り、それから20年後、TFT液晶はブラウン管にとって代わるディスプレイとなりました。

贈呈式はIEEE関西支部の小野寺秀俊チェアの司会で進行し、シャープ株式会社に対し、IEEE President-Elect (2015年IEEE会長) の Howard Michel 氏より、挨拶に続いて、銘板(plaque)が贈呈されました。

IEEE関西支部小野寺チェア
司会のIEEE関西支部小野寺チェア

Howard Michel氏
挨拶する IEEE President-Elect Howard Michel氏

贈呈式の挨拶として、Michel氏は「『IEEE マイルストーン』は1983年にIEEE創立100周年を記念して設けられ、認定件数は、まもなく150件に達しようとしています。その最も古いものは18世紀のベンジャミン・フランクリンの業績やヴォルタによる電池の発明です。 思えば、1964年に当時RCAのジョージ・ハイルマイヤー氏がLCDを発明した時、壁掛け型のTVが世の中の消費者にとって当たり前になるのは時間の問題だ、と彼は考えました。そして彼は正しかったのです。その正しさは、シャープの先導的技術者たちの洞察力と決意に支えられて25年近くかかってやっと証明されました」などシャープ関係者の業績をたたえ、最後に今回の銘板の内容を読み上げられました。

受賞者の答辞では、シャープ株式会社の高橋興三社長が、関係者への謝辞に続き、「当社は、これまでに2005年に『電卓』、2010年に『太陽電池』についてマイルストーンの認定を頂き、今回で3件目の認定を頂いたことになります。これは、当社が創業以来、『誠意と独自の技術をもって広く世界の文化と福祉の向上に貢献する』との経営理念のもと、創業者 早川徳次の『人に真似されるものをつくれ』というチャレンジ精神を受け継いで事業を展開してきたことを評価頂いたものと考えています」などと語りました。

受賞者記念写真
左から IEEE President-Elect Howard Michel氏、
シャープ株式会社 高橋社長、IEEE関西支部 小野寺チェア

技術講演会
技術講演会の様子

贈呈式に引き続いて、シャープ株式会社主催の記念パーティ、そして、IEEE関西支部主催の 記念講演会が開催されました。 記念講演会では、小野寺Chair、Howard Michel 氏の挨拶に続き、 本マイルストーンの Proposer でもある、元シャープ、tech&NT Labs.の武宏氏による「TV用TFT液晶_3型から14型へ、1988」、 IEEE History Centerの Alex Magoun氏による「LCD TV - A Prehistory at RCA, 1951-1970」、シャープ株式会社 代表取締役副社長 の水嶋繁光 氏による「最新のテレビ用液晶技術の紹介」の講演がそれぞれ行われました。

今回のMilestone贈呈式はシャープ株式会社関係者の多大な貢献と努力により挙行することができました。関係者の方々にはこの場を借りて深く感謝致します。

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