IEEE EPS Japan Chapter Young Award


ICEP2019において優れた発表を行った若手技術者4名に対してIEEE EPS Japan Chapter Young Award を授賞しました。
本来であればICEP2020で表彰を行う予定でしたが、新型コロナウィルスの感染拡大により中止となったため、表彰盾の写真とともにここにその栄誉を讃えます。

IEEE EPS Japan Chapter
Chair 青木 重憲

受賞者 Taiga Fukumori
所属 Fujitsu Laboratoryies Ltd. / Japan
論文タイトル Correlation between Insertion Loss and Interface Relative Conductivity
   
   
推薦理由 本研究は、プリント配線板の高速信号伝送の特性評価において、標準的手法が確立していない導電損の評価に対して、界面相対導電率の有効性を実験的に検討している。複数の銅箔、表面仕上げ、表面処理の比較実験から、挿入損失と表面(界面)相対導電率との関係を明らかにしている。絶縁体側の銅箔面をマット仕上げとすることで鏡面仕上げと比べて導体銅箔-絶縁体基板材料の界面相対導電率が減少すること、異なる銅箔種類や表面処理により界面相対導電率が敏感に変化すること、銅箔表面めっき層の存在により表面相対導電率の変化は顕著でないことなどを見出している。銅/絶縁材界面状態を反映した導電損と強く相関した評価指標として界面相対導電率を独自に着目し、その有効性と今後の課題を明確化しており、評価手法の確立に向けていっそうの研究の発展が期待できることからIEEE EPS Japan Chapter Young Awardに推薦する。



受賞者 Xing QIU
所属 Hong Kong University of Science & Technology / Hong Kong
論文タイトル Evaluation and Benchmarking of Cu Pillar Micro-Bumps with Printed Polymer Core
   
   
推薦理由 本論文では、コンプライアンス性を有するCuピラー電極接続の課題である熱応力ひずみ起因の信頼性低下を解決し、かつ工業的に容易な手法で電極を形成するために、プリンタブルなポリマーコアを用いて直径30 µm以下の微小電極を均一に製作する手法が提案され、機械的強度などの基礎的な物性評価がなされた。非常に均一な形状を有するポリマーコアを水という簡易な溶剤に均一分散し、それをインクジェットで一括印刷してからメタライズするという手法は斬新であるほか、形成された電極は従来のCuピラーによるものよりも寸法誤差が小さく、かつ親水性のポリマーとSiO2表面の間の結合性に優れることから、機械強度が大幅に上昇する特長を示した。工業的応用性も高く、IEEE EPS Japan Chapter Young Awardにふさわしいと判断する。



受賞者 Hiroyuki Kuwae
所属 Waseda University / Japan
論文タイトル Cu-Cu Quasi-Direct Bonding with Atomically Thin-Au and Pt Intermediate Layer Using Atomic Layer Deposition
   
   
推薦理由 本研究ではCu-Cu接合の中間層としてALD(atomic layer deposition)を用いて成膜した白金および金を用いることを検討している。ALDにより極めて薄い金属層をCu上に堆積させることにより熱圧着中に白金や金がCu中に拡散して擬似的にCu-Cu接合が行われることを狙ったものである。ALDの特徴である選択的なmetal-on-metalの薄膜が形成されることを利用したもので、EDSにより白金、金ともにCu上には堆積が確認されるが基板であるSi上には堆積されないことが確認されている。シェア強度試験の結果はいずれの金属もALD無しのCu-Cu接続より大きな強度となっているが、白金の方がより大きな強度となっている。これに対して発表者はCu中の金の拡散係数が白金より大きく、金が接合初期にいち早くCu中に拡散して中間層としての役割を十分果たせていなかった可能性があることを指摘している。Cu-Cu接合の中間層については様々な検討がなされているが、極めて薄い膜の堆積が選択的に可能なALDに着目し、電子デバイス実装に実績のある金を利用する試みは学術的・産業的に価値がある。強度のみならず電気的な特性や信頼性など評価すべき課題はあるが、今後の研究活動に大きな期待が持てる発表であり、IEEE EPS Japan Chapter Young Awardに値するものと考え、ここに推薦する。



受賞者 Runhua Gao
所属 Osaka University / Japan
論文タイトル Cu-Cu Bonding Method Using Preoxidized Cu Microparticles under Formic Acid Atmosphere
   
   
推薦理由 銅粒子を用いてのギ酸を用いた低温銅-銅接合に関しての研究発表であり、接合パラメータによる接合面の断面SEM観察、X線回折解析かつせん断強度についての考察である。銅-銅接合のパワーデバイス市場への必要性から、接合温度と時間と接合の関係、鍵となる銅粒子の構造や銅粒子への予備酸化膜の形成方法をきちんと論理的に説明している。300℃/30分で0.1 MPaの荷重を掛けてギ酸雰囲気下で接合することで、最大46.5 MPaのせん断強度が得られることを、時間を振った接合状態の説明も加えてメカニズムを述べており、その工業的価値も非常に高い。論文の高い完成度、若いが発表が秀逸なものであった。評価者評点結果も優れ、これら理由により、IEEE EPS Japan Chapter Young Awardに十分値するものと考え、推薦する。



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