IEEE Kansai Section 会員各位
IEEE MTT-S 会員各位
                      IEEE MTT-S Kansai Chapter
                          Chair 真田 篤志

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       「AIとマイクロ波」ワークショップ開催案内 
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概要:
マイクロ波技術は当初はアナログ技術として発展してきたが、常に最新の周辺
技術を取り込み発展してきた歴史がある。近年はマイクロ波技術はディジタル
化技術と融合し、5GやIoT等の発展に寄与し、我々の生活を豊かにしてきた。デ
ィジタル技術を中心とした情報社会はSociety 4.0と呼ばれ、すでに現在我々の
社会は完全にSociety4.0の中にあり、コロナ禍においてもその強みをいかんなく
発揮している。さらに今後、我々の社会はサイバー空間(仮想空間)とフィジカ
ル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題
の解決を両立する、人間中心の社会であるSociety5.0へと移行しつつある(内閣
府第5期科学技術基本計画)。となれば我々のマイクロ波技術は次の段階としてAI
(Artificial Intelligence)、機械学習といったSociety5.0の中核技術との融合へ
と発展すべきである。本ワークショップではパッシブ回路、アクティブ回路、情
報通信、マイクロ波加熱等、様々なマイクロ波技術分野における「AIとマイクロ
波」の最先端の研究開発の取り組みを紹介する。


●主催: IEEE MTT-S Kansai Chapter
●日時: 2021年9月4日(土) 13:00〜17:00
●場所: Zoom Webinarによるオンライン開催
●参加資格: どなたでも参加できます。
●参加費: 無料です。
●事前申し込み: 文末にある「聴講について」の案内をご覧下さい。
●プログラム
 テーマ: AIとマイクロ波ワークショップ
 オーガナイザー:篠原 真毅(京都大学)


講演1
・タイトル: ニューラルネットワークを援用したマイクロ波フィルタ設計
・Title: Neural-Network Assisted Microwave Filter Design
・講師: 大平 昌敬 (埼玉大学)
・Speaker: Masataka Ohira (Saitama University)
・概要: 近年、AI・機械学習・深層学習が脚光を浴びるなか、マイクロ波分野に
おいても、それらを活用したマイクロ波回路設計・最適化やモデリング等が注目さ
れるようになってきた。その基本となるのがニューラルネットワークであり、その
利用例として、データセットに基づく高速特性計算モデル(電磁界シミュレータの
代理モデル)や、電磁界シミュレータでは解くことのできない逆問題のモデル(設
計仕様から構造パラメータを出力するモデル)の構築などがある。本講演では、そ
ういったモデルをマイクロ波フィルタ設計に応用した例を紹介しながらニューラル
ネットワークの利点を説明するとともに、今後その技術をマイクロ波回路設計で活
用していく上での課題を議論する。

講演2
・タイトル: フロー反応条件迅速最適化におけるマイクロ波技術と機械学習の融合
・Title: Integration of Microwave Technology and Machine Learning in Rapid 
Optimization of Flow Reaction Conditions
・講師: 間瀬 暢之 (静岡大学グリーン科学技術研究所)
・Speaker: Nobuyuki Mase (Research Institute of Green Science and Technology,
 Shizuoka University)
・概要: 我々の予想を超えるスピードで有機化学の世界に機械学習の導入が進んで
おり、人海戦術的アプローチからの脱却が望まれている。これまでバッチ手法に対し
て利用されてきたマイクロ波技術が、フロー手法においても活用できるようになり、
研究室レベルでkg〜tonスケールでの合成が可能になってきている。今回、マイクロ
波フロー技術における適用例を中心に、有機合成を基盤としたグリーンものづくりへ
の機械学習導入について紹介する。具体的には、スケールアップを指向した連続型と
離散型変数の最適化について、@ シンプル、A 連続評価、B 少試行回数、C 自動
化に着目し、できる限り専門性の障壁を低くして、多くの方が利用できるようにした。
その結果、フロー合成手法、グラジエント手法、インライン分析、実験計画法を駆使
してデータ収集を円滑に実行し、そのデータを元に機械学習による最適反応条件の迅
速特定が達成された。

講演3
・タイトル: 移動通信基地局向け超広帯域AIデジタル制御GaN増幅器
・Title: Ultra-Wideband AI Digitally Controlled GaN Amplifier for Mobile Base Stations
・講師: 小松崎 優治、津留 正臣 (三菱電機)
・Speaker: Yuji Komatsuzaki, Masaomi Tsuru(Mitsubishi Electric Corporation)
・概要: 5G/ Beyond 5G世代を見据え、主要な移動通信用の周波数帯を1つの基地局で
運用するとともに、基地局装置の設置性を高めるというニーズに応えるために、6GHz
以下の複数の周波数帯に1台の増幅器で対応できる超広帯域AIデジタル制御GaN増幅器
を開発した。本増幅器はアナログで動作するGaN増幅部とデジタル制御部を組み合わせ
た新たな発想の増幅器である。GaN増幅部には2つのGaNトランジスタを並列配置し、
広帯域を実現する独自の負荷変調回路を用いて信号を合成することにより、広帯域動
作を実現した。またデジタル制御部には学習機能を搭載し、増幅器の動作状態に応じ
た最適な2つの入力信号の組み合わせを選択させることで、周波数や出力電力に応じた
高効率動作を実現した。試作の結果、1.4-4.8GHzの比帯域110%という広帯域にわたり、
効率45%以上で動作することが確認できた。

講演4
・タイトル: 無線ネットワークのための機械学習
・Title: Machine Learning for Wireless Networks
・講師: 山本 高至 (京都大学大学院情報学研究)
Speaker: Koji Yamamoto (Graduate School of Informatics, Kyoto University)
・概要: 機械学習の基礎と、無線ネットワークへの応用を述べる。機械学習については、
深層学習、深層強化学習を含め、それらの関係が明確になるよう、Google Colabを用いた
ハンズオンも併用しつつ、基礎的な事項を説明する。特に、通信パラメータの最適化によ
る通信品質の最大化問題に対して、機械学習はどのようにアプローチできるかについて説
明する。ついで、B5G/6Gを含むマイクロ波・ミリ波無線ネットワークの課題を述べたあと、
解決策として、ミリ波通信路を含む映像からの深層学習を用いた受信電力予測技術、深層
強化学習を用いたチャネル割当・ハンドオーバなど無線ネットワーク制御手法を紹介する。
とともに、どのように問題を設定すればよいかを説明する。




なお、最新の情報は下記のサイトにてご確認ください。
  http://www.ieee-jp.org/section/kansai/chapter/mtts/

*******聴講について*******
ご聴講(2021年9月4日(土)13:00〜17:00)を希望される場合は、
下記のリンクからご登録、ご聴講願います。
https://us02web.zoom.us/webinar/register/WN_xO9Gepq6QX6pU_3ZWSOXEQ

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   IEEE MTT-S Kansai Chapterのホームページ
  http://www.ieee-jp.org/section/kansai/chapter/mtts/