新戦略領域シリーズ<第1回>
マイクロ波マテリアルサイエンスワークショップ開催 のご案内

                                             IEEE MTT-S Kansai Chapter
                                                       Chair 石川 容平

 IEEE MTT-S Kansai Chapter では、メタマテリアルや無線電力伝送に続く、
マイクロ波応用で新産業を興すための新しい研究開発領域をサーチする目的で、
今回は材料プロセスへの応用として注目されつつあるマイクロ波と材料の化学反応
に関するワークショップを開催する運びとなりました。この分野で活躍されており
ます著名な講演者をお招きし、最新の研究動向についてご紹介頂きますので、皆様、
是非奮ってご参加下さい。

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新戦略領域シリーズ<第1回>
マイクロ波マテリアルサイエンスワークショップ開催 のご案内
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概要: マイクロ波は無線情報通信システムに用いられるばかりでなく、エネ
ルギー伝送や材料プロセス分野にも幅広く利用されている。本ワークショップ
ではマテリアルサイエンスに着 目し、有機・無機化学、バイオ分野における
マイクロ波と材料との相互作用について基礎理論から応用に至る幅広い議論を行う。

●主催: IEEE MTT-S Kansai Chapter
●協賛: 京都大学 生存圏研究所
●日時: 2010年 7月 24日 (土)  13:00 - 17:00
● 場所: 京都大学宇治キャンパス生存圏研究所木質ホール
 http://www.rish.kyoto-u.ac.jp/access.html
(キャンパス内地図(4))
●参加費: 無料
●参加資格: どなたでも
●事前申し込み: 文末の「参加調査票」をご利用下さい。
        *参加人数把握のため事前申し込みにご協力下さい。

● プログラム
テーマ:マイクロ波を用いた材料プロセスの革新
オーガナイザ・司会進行:河合 正(兵庫県立大学)

講演1.
タイトル:マイクロ波励起固体境界層プラズマを用いた高純度ZnO薄膜形成
         -セラミクス境界層でマイクロ波電界が作る非熱的高エネルギー
イオンを検討する-
講師:園部太郎(京都大学)
概要:酸化亜鉛(ZnO)は紫外発光ダイオードの新素材として世界中で着目さ
れている。その実用化のためには、高純度なZnOの安価で簡
単な製膜プロセスの開発が必要である。これまでにZnOセラミックスに減圧下
でマイクロ波電界を印加することで、固体境界層から反応
性の高い亜鉛原子および酸素原子プラズマを直接生成できるマイクロ波励起固
体境界層プラズマ法を開発した。本研究ではマイクロ波励
起固体境界層プラズマを用いた高純度ZnO薄膜の形成を目指し、プラズマ生成
機構の解明及び製膜プロセスの設計を目的としている。

講演2.
タイトル:マイクロ波有機化学の装置設計と材料の物性測定
    -化学屋にとってのMW加熱反応装置-
講師:杉山順一(産業総合研究所)
概要: 化学反応とは材料の組成が変化する現象である。これを化学合成装置
に対応させると、バッチ型では時間として、フロー型では
空間として、始まりと終わりで対象材料の誘電特性が変化している。化学屋に
とっては材料の物性とマイクロ波の諸現象(反射、透過、
吸収)の関係がイメージしにくく、何がおきているのか理解し難い。本講演で
は、著者がこれまで検討してきた材料の物性測定の方法と
解釈や、装置開発について紹介する。

講演3.
タイトル:アポロ&ポセイドン構想2025
- メタンエネルギー社会の産業基盤技術体系とマイクロ波・海洋産業利用 -
講師:香取義重(三菱総合研究所)
概要:アポロ&ポセイドン構想2025は、国土面積の狭隘なわが国におい
て、太陽と広い海(EEZ)等をスマートに利用することに
よって、メタンエネルギー社会システムをベースとした少資源社会を形成する
ことを目指している。そうすれば、2025年ごろに遭遇する
ことが予想される「エネルギーと地球環境」問題を同時に解決することができ
ることを説明する。

講演4.
タイトル:水溶液中における有機化学反応とマイクロ波の非熱的効果
     -無機材料における焼結プロセスとの差異を比較検討するー
講師:田村博(村田製作所)、石川容平(京都大学)
概要:マイクロ波プロセスは無機・有機材料の化学反応を迅速化あるいは低温
化する有力な手段となりつつある。本講演では、まず誘電
体セラミクスの誘電損失の起源を明らかにし、ペンステート大学が推進してい
るBaTiO3やPb(Zr,Ti)O3セラミクスのマイクロ波焼結の実
験結果を紹介して、マイクロ波プロセスの熱的効果が発現する条件と特異な現
象について報告する。次に、水溶液中の電極界面や有機物
質表面で生じている水素結合、電気二重層、疎水性相互作用等の物理現象に着
目し、マイクロ波の化学反応に及ぼす非熱的効果について推論と考察を加える。


-----参加調査票-----
(会場・配布資料の準備のため、なるべく正確な参加人数を見積もりたく存じ
ます。事前申し込みに是非ご協力ください。)


開催日:2010年7月24日(土)

ワークショップ:出席/欠席 (該当する方をお残し下さい)

申込締切:7月21日(水)
宛先: 河合 正( MTT-S_KC@eng.u-hyogo.ac.jp )
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