IEEE Computer Sociery
[C-16] Kansai Chapter

2017年 第1回技術講演会 人工知能からコグニティブ・コンピューティング

「人工知能からコグニティブ・コンピューティング」をテーマに,谷口忠大氏,及び高木啓伸氏を講師にお招きして講演会を開催しました.

日時
2017年6月19日(月) 15:00–17:15
会場
立命館大学 びわこ・くさつキャンパス エポック立命21 1階エポックホール
525-0058 滋賀県 草津市 野路東1丁目1-1

15:00–16:00 ロボットによる言語獲得への道 記号創発ロボティクスへの招待

概要
人工知能と機械学習の発展は人間の認知やその発達・学習を計算論的に,また はロボットという工学的実現を通して表現するための新たな可能性を示しだし ている.人間の幼児が言語を学ぶためには,音声信号からの単語や音素の単位 を発見し,また,単語やフレーズを実環境の情報とマルチモーダル情報や自ら の行為との関係性にもとづいて意味づけていくプロセスが重要である.講演者 らはロボットが言語を自動的に学習するための機械学習法に関して研究を行っ てきた.この研究領域を記号創発ロボティクスと呼ぶ.本講演では記号創発ロ ボティクスについて概説した後に,ロボットによる言語獲得を支えるノンパラ メトリックベイズや深層学習を用いた機械学習手法に関して紹介する.
講演者
谷口たにぐち 忠大ただひろ (立命館大学)

略歴

1978年6月24日京都生まれ.2006年京都大学工学研究科博士課程修了.博士 (工学・京都大学).2005年より日本学術振興会特別研究員(DC2),2006年より同(PD).2008年より立命館大学情報理工学部助教,2010年より同准教授.2015年より2016年までImperial College London客員准教授.2017年より立命館大学情報理工学部教授,また,パナソニック客員総括主幹技師としてAI研究開発に携わる(国内初の大学から企業へのクロスアポイントメント事例).ビ ブリオバトルの発案者としても知られる.記号創発システムの構成論的理解や 機械学習技術の応用に関する研究に従事.計測自動制御学会学術奨励賞,シス テム制御情報学会学会賞奨励賞,論文賞,砂原賞など受賞.主著に「コミュニ ケーションするロボットは創れるか」NTT出版,「ビブリオバトル」文藝春秋 「記号創発ロボティクス」講談社,「イラストで学ぶ人工知能概論」講談社な ど.一般社団法人ビブリオバトル協会代表理事.計測自動制御学会,日本認知 科学会,日本人工知能学会,IEEEなどの会員.

16:15–17:15 コグニティブ・コンピューティングが変える生活

概要
コグニティブ・コンピューティングをはじめとしたAIの技術は人々の日々の生 活を変えるものとして期待されている.講演者もコグニティブ・コンピューティ ングによる生活支援技術「コグニティブ・アシスタント技術」の研究開発に取 り組んできた.本講演では音声対話と組み合わせた高精度な屋内ナビゲーショ ン技術,高齢者支援のための解析技術などを紹介するとともに,生活を変える 技術としてのAIの可能性について考える.
講演者
高木たかぎ 啓伸ひろのぶ (日本アイ・ビー・エム)

略歴

1999年日本IBM入社.以後,東京基礎研究所において障害者・高齢者支援技術の研究開発に従事.現在,「アクセシビリティと高齢社会工学」研究グループの技術リーダー及びシニア・マネージャーを務める.また,世界の基礎研究所 の中でコグニティブ・コンピューティング戦略分野ヒューマン・コンピュータ・ インタラクション・エリアのリーダを務める.IBM Academy of Technologyメンバー.2009年情報処理学会喜安記念業績賞,2011年文部科学大臣表彰受賞. ACM会員.博士(理学).

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