設立趣旨 


■ HISS設立に当たって

HISS:「学生の、学生による、社会のための」シンポジウム

 学生シンポジウム HISS (HIroshima Student Symposium) では、あらかじめ用意された内容を 決められた時間内に読み上げるといった、一般の学術会議に多く見られる発表形式をとっていません。 むしろ技術展示会風に、各人専用の発表空間を利用して、随時訪れる不特定多数の来訪者の質問に対応します。 そして、質問の趣旨に沿って的確な説明を行うと同時に有益なアドバイスを引き出し、 自分の研究の意義を再確認します。 さらに、シンポジウムの企画・運営のすべてを自分たちで行います。 社会が学生のこのような活動に関心を持ち、 彼らの体験を積極的に活かそうと考えるようになれば、 産業構造が変わります。


市川忠男(初代支部長)

 話は変わりますが、歴史的な経緯はさておくことにして、昨今の産業界では多数派市場を指向した 技術開発が ことのほか重視されています。儲けのことを考えるとそうなってしまうのでしょうが、 「ニーズは自分たちで作り出すものだ」といった考えが幅を利かすに至っては、まことに 困ったものだと 思っています。これまで「必要は発明の母」とは言われてきましたが、 必要が自分の都合で 作りだされるようになってしまっては、この先心配が絶えません。

 私は、少数派市場をないがしろにしないところから健全な技術が生まれ育つものだと考えています。 しかし、何が少数派で何が多数派かということは、時の流れで変わります。たとえば、 何らかの障害を持った人たちの他に、年寄りも少数派市場を構成します。ところが、 少子化と高齢化が進むと、やがては年寄りが多数派になるでしょう。多数派の年寄りたちが
「一昨日に傾いた頭で明日のあり方を喧伝」する様をイメージしますと、それが学術社会と その活動にもたらす弊害に深刻なものを感じます。先を見越して「頼りになる少数派」の 育成に着手しておくことは、今、まさに急を要する問題なのです。

 
「学生の、学生による、社会のための」シンポジウムHISSはそのために作られました。